財務諸表論に合格できなかった理由
財務諸表論といえば税理士試験の中で他の科目と比べると合格率が高く、初めて税理士試験を受験する人のうち多くの人が選択する科目です。
私は1年目、2年目の財務諸表論は不合格でしたが、3年目の試験で合格しました。ここでは1年目、2年目が不合格になった理由とそれに対する改善点を記したいと思います。
財務諸表論は理論50点、計算50点で評価される科目です。なので、理論と計算それぞれに対して対策を講じる必要がでてきます。
不合格になった理由
- 1年目
理論の全ての論点をバランス良く暗記していなかったことが原因でした。そもそも理論の学習時間が不足していたこともあり、全ての論点について完全に暗記する事が出来ていませんでした。
しかも「過去問ではこの論点が出ているから今年はきっとこの論点は出ないだろう。」とヤマを張った勉強をしていたのです。
そして、その年の試験では出題されないと予想していた論点が実際の試験に出題され、案の定問題を解けずじまいでした。
他にも時間配分の点で問題がありました。税理士試験では制限時間以内に分からない問題は飛ばして、分かる問題を率先して解いていかなければ合格できない試験です。
それにも関わらず、初めての試験ということもあって分からない理論の問題に多くの時間を費やしてしまい、計算の時間を削ってしまいました。
そして、計算でも分からない問題に時間を費やしてしまいました。当然結果は不合格でした。その年は税理士試験は甘ったるい勉強では全く通用しない試験であると思い知った年でした。
- 2年目
理論の試験問題から解答に結びつかせる事ができなかったことが大きな原因でした。理論については1年目の反省から全ての論点について完全に暗記して試験に臨みました。
しかし、試験問題を読んでも解答できない問題が多く「あんなに理論を勉強したのに、、、」と気持ちが焦るばかりでした。
試験時間も刻々と過ぎてしまいます。1年目の教訓として分からない問題は飛ばすように1年間トレーニングしてきました。
そして最終的に私は「きっと合否に影響しない問題だから飛ばして大丈夫!」と判断して残りの時間を計算に重点を置いて解答しました。しかし、その判断が誤っていました。
数日後、自己採点をしてみると、「あれ?この問題の答えって暗記してたのに、、、」と暗記していた内容であるにも関わらず問題に解答出来ていなかったのです。
そんなバカなことがあるかと思うかもしれませんが、税理士試験のような国家試験は問題を読みにくく理解しにくく作成します。なぜなら試験は受験者を落とすために行われるからです。
他にも自分に焦りがあった事も不合格の原因の一部です。冷静であれば時間を少し理論に当てて解答できたかもしれません。この年は計算はボーダーを上回りましたが、理論がダメで不合格となりました。
改善した点
以下の事項について改善しました。
・時間配分の管理
・理論スケジュールを作る
・計算の効率化
・模試を2回以上受ける
時間配分の管理
財務諸表論は理論と計算から出題され120分の試験時間があります。基本的には理論30分〜40分、計算80分〜90分の時間配分で解答します。
私はTACの通信講座を受講していたので財務諸表論を勉強する場所は自宅でした。本当はTACの学校で緊張感を感じながらテストを受けるのが望ましいのですが、私の家は田舎にあるため自宅でテストを受けていました。
その際に気をつけていたことはテストを受けるときは必ず時間を測ることです。テストを理論から解き始めても計算から解き始めても問題はありません。ちなみに私は理論から解いていました。
私は理論から解き始めて、分からない問題が残っていたとしても必ず35分経過したら計算の問題に切り替えるようにしていました。ただ、計算の問題が大門2構成の場合は理論を30分で終え、計算の時間を多めにとるようにしていました。
以上のように120分の時間を測ってテストを受けるようにしましょう。本番の試験を想定して毎回テストを受けることが重要なのです。
理論暗記スケジュールを作る
私は理論暗記を進めていく上で スケジュールを作って進めていました。税理士試験は8月の上旬に行われます。
私は1月〜4月までに全ての理論を1周できようにスケジュールを作成し、5月〜7月までは全ての理論を5周できるようにスケジュールを作成しました。理論の暗記方法は別の記事に記載していますのでご参照ください。
重要なことは無理のないスケジュールを作ることです。作成の際、一週間のうち1日は調整日を作って
おくと安定した理論暗記が可能となります。
調整日には暗記が遅れてしまっている理論の暗記、スケジュール通り理論暗記が進んでいるのであれば休日にしてストレスを解消してもいいと思います
計算の効率化
計算は解き方を手順化して問題を解きました。以下に私が計算の問題を解いたときの手順を記します。
- 貸借対照表の勘定科目にざっと目を通す。
- 勘定科目に賞与引当金、仕入れ値引など処理が出来るものがあったら先に処理しておく。
- 下書き用紙に問題の中で複数回出てくる勘定科目のT勘定を書いておく。例えば現金預金、売掛金、買掛金、消費税など。(他の勘定科目については直接貸借対照表、解答用紙に書き込むようにする。)
- 問題の中で単独で拾える論点から問題を解いていく。例えば固定資産、有価証券、退職引当金、社債、税金など。
- 最後に現金預金、売上関連、仕入関連などを解く。
以上のように手順化してやる事を明確にしておくことで解答時間を短縮することができます。
模試を2回以上受ける
私は2年目の試験で理論の問題から解答に結びつけることができなかったことを上記の不合格になった理由で記しました。
私はTACの通信講座を受講していたので模試もTACの模試を受けていたのですが、模試の理論の問題はTACの理論テキストをベースに作成されるため比較的に問題が理解し易いのです。
そのため、本試験の問題に対応するために他校の模試も受ける事をお勧めします。実際に私は大原の模試も受けていました。